夜(恋人の先輩が発ったあと)、電話。
「日本に帰ったとき、わたしのこと友だちに言える?」
喉にひっかかったものを吐き出さずにはいられなかった。
「隠すと思ってるの?隠す必要ないでしょ。」
と答える彼。
「こんな質問されて、隠すよ。なんて言えないよね。」
と言うと
「そうやね。」
と言われる。ふたりで少し笑った。
でも聞かずにはいられなかった。嘘でも、「隠さないよ」という言葉を聞いて、ただ安心したかった。付き合っていることを隠すという今の生活は(言い出したのはわたしなのだけど)気持ちが不安定になりやすいというようなことを話したら、「このタイミングで言うことじゃないかもしれないけど、このあいだ届いた日本の友だち(女子)からの手紙の文末に、日本に帰ったら付き合ってくださいって書いてあったんよね。冗談やと思うけど。でも、今付き合っている人がいるってことを書いたから。断る意味をこめて。僕は自分から恋人の話をすることは少ないけど、いるの?と聞かれたら答えるし、隠す気持ちなんて全くないよ。」と彼が言った。それから1時間くらい話をして、少し気持ちが晴れる。彼と電話をする前は、しばらく会いたくないなと思ってたのに、声を聞いてしまうとそんな気持ちも何処かへいってしまった。彼のことがすきですきでしかたがない。