髪を切ったよ





笑っちゃうくらいわたしとあの人の関係はあの頃となにも変わらなかった。あの頃と同じ温度でふざけ合い、あの頃と同じように恋について相談された。何年経とうともわたしは友だちどまりなんだってことを再確認できた。見つめ合った目からも触れた指先からも。わたしはもう二度と彼に恋心を抱かないように極めて慎重に行動しなくちゃいけない。再会すべきではなかったのかもしれないと思う一方で、大好きな場所に一緒に行けたことがただうれしかった。
例えばいつか彼に恋人ができたと言われても、結婚すると言われても、ちゃんと立っていられるようにならなきゃいけない。片思いの二股なんて意味わかんないね。似たふたりだと思っていたけれど、彼と彼とはぜんぜん違うタイプなんだと改めて思った。ただわたしの心を強く惹きつける相手だということ以外は。