朝、恋人とcafeへ。肌が切れそうに寒かった。息は煙のようにくっきりと白い。また学校まで送ってもらったけれど、朝だったからかふたりとも変なテンションで会話がぎくしゃく。それでも手を繋いでいる間だけは安心な気持ちだった。
会話の授業で、コミュニケーション能力が欠けてる!というスペイン語能力以前の問題に気づいて落ち込む。よく考えればこっちに来て半年経つのに友だちらしい友だちいないからね。たまに日本人女子と話したりすると、うががががとなるよ。話している言葉が宙を舞う感じ。現実味のない感じ。人間としてやばいかもしれん。日本に帰ってからちゃんと社会に溶け込めるか不安。
夕方、少し眠ったら夢を見た。
知らない男の人に追われて走っているわたし。スペインの広場やカテドラル(教会)の前を駆け抜けたと思ったら、次の瞬間、日本の商店街を突っ走っていたりもする。(さすが夢。)最終的に、公園の植え込みの陰にに小さくなって隠れてたのだけど、すぐに見つかって「そんなんじゃ駄目だ!擬態にならなきゃ見つかるに決まってるだろ!」と叱られる。擬態のやり方を教える男は、木の枝や花びらになったりするの。わたし人間だしそんなのできるわけない!と言いそうになるのをぐっと飲み込んだ。END