3月の空気は不安定で切ない。別れや変化を身に纏った人たちが、往来しているからだと思う。それは目に見えなくても、確実に空気として存在している。さようならやこんにちはや不安や期待や戸惑い。沈丁花の香りや、わたし自身の記憶がそれに拍車をかけて、身体を包み込んで、息ができなくなりそうだった、今日の、帰り道。
思い出はいつだって綺麗で儚い。永遠なんてないって知ってるけれど、永遠の なにか に包まれたい。