去年の春に買った、空色のようなシルバーのような靴をよく履いている。なぜだかその靴を履くたびに、ドロシー(オズの)!と思い、気分が良くなる。ほんもののドロシーがどんな靴を履いていたかぜんぜん覚えていないのに、ひとりドロシー気分。

たくさんの話したい言葉が、頭の中に浮かんでくるのに、その相手が不在なので、心の中でぱちんとはじけるか、じわじわと身体から蒸発するのを待つしかない。すきな人は遠くにいるし(物理的にも精神的にも)、男ともだちとはもう話すことができないし(そもそもわたしがそう決めたのだけど)、女ともだちは闇の中。話したい人と話せない日々が続くと、世界でたったひとりのような気持ちになる。たとえば、会社や外でなにか言葉を発したとしても、それは、わたしにとって、ただの音でしかない気がするのです。