週末、Portoへ行った。(バスで約5時間)
ヨーロッパを放浪中のともだち(26歳男子)と会った。変わってないなーと言い合って、夜はビール1Lとワイン2本をふたりで飲んだ。わたしたちの出会いはもともと大学のときにしていたアルバイト先で、彼はわたしが大好きだった人(K)と今でも連絡を取ってる数少ない人。
ぬるま湯の日々(すきという気持ちを押し殺してともだちぶっていた日々)を3年も続けて、最後は、わたしから「付き合えないならともだちとして連絡することもやめたい。」と言った。その、2度目の告白の日から、ほんとうに一度もKとは連絡を取っていない。もちろん、昔のバイトともだちを通じて彼の現状を少し聞いたりすることはあるけれど、なんの仕事をしているかも、どこに住んでいるかも知らなかった。
放浪男子はたまにKと飲んだりするらしく、その話を少し聞いた。Kの名前が出るたびに、自分がKの名前を発するたびに、いろんな記憶が蘇ってきてこわかった。
普段は○○さんと呼ぶのに酔ったときは呼び捨てで呼んできたこと。彼の家で延々ドラクエをしたこと、冷蔵庫に油性ペンで落書きしたこと。一緒に京都に行ったこと。アイスが好きだったこと、散歩が好きだったこと、電話越しに歌ってくれたこと。わたしが告白したときの、辛そうな顔。
わたしはずっと、今付き合っている恋人はKを超えた(超えるくらい好きになれた)と思っていたけれど、それは思い込みなのかもしれないと思ってしまった。冷静に考えて、今の恋人は、顔も性格も才能も、すべてKより勝っているように思う。Kほど鈍感でないし、わたしを女子として扱ってくれるし、やさしくしてくれる。それなのに、どうして、未だにKのことをきれいさっぱり忘れられないのだろう。放浪男子との話の中で、Kの仕事も住んでいる場所も知ったけれど、恋愛については聞けなかった。聞いたときに、なにも思わずにいられる自信が、わたしにはなかったから。
帰りのバスでは、ずっと眠れなかった。強い雨に打たれたときのような、どうしようもない気持ち。でも、Kと連絡をとっていないのはとても正しいことだったと思った。悲しいけれど、これから先も、Kと連絡をとってはいけない気がした。自分の心を正しく保つためにも、恋人との恋愛を全うさせるためにも。