金曜日、昼過ぎにホテルに行って、プレゼントとメッセージカードをベッドの上に置いた。結局(やっぱり)、写真集は間に合わなかったので後日渡すことにして、1000Pパズル(ゴッホの『夜のカフェテラス』)と、邦楽とクリスマスソングのCD-R3枚(独断と偏見で選曲)を用意した。窓を開けると、目の前に大きなクリスマスツリーが見えた。胸が弾んで、カメラで何枚か写真を撮った。
フロントで部屋のカードキーをもう一枚もらって、恋人に電話した。待ち合わせした場所で他愛もない話を少しして、「手を出して。」と言って、カードキーを手渡した。きょとんとする彼に、「誕生日プレゼントだよ。」と言った。「えええ!」と彼がびっくりしすぎるので、はずかしくなって「天才だから。」と言った。

夕方、彼と部屋で待ち合わせをした。わたしは約束の時間より少し遅れて行った。ケーキと水を買っていったら、彼が赤ワインとシャンパンとおつまみを買ってきていた。「ワイン買おうと思ったけど、なにがいいかわからないから一緒に買いに行こうと思ったのに、買ってきててびっくりした!」とわたしが言うと、「水もいるかなと思ったけど、まあいいやと思って買わなかったけど、買ってきてくれてびっくりした!」と彼が言った。「できすぎてるね。」と互いに言って笑い合った。「プレゼントほんとにありがとう。天才すぎる。」と彼が言った。「こういうとき泣けたらいいのに、ぼくの涙腺はいつだって機能しない。」と言うので、「よろこんでくれるだけで、じゅうぶんだよ。」と答えた。立ったまま少し抱き合った。
ベッドの上でごろごろしたり、窓の外の大きなクリスマスツリーを見たりしたあと、夜の街に出掛けた。ステーキ的なものを食べた。食べる前は「今夜はすごい食べれる気がする!」と言い合ってたのに、ぜんぜん食べれなかった。スペイン料理はやっぱりヘヴィー。
部屋に戻ってクリスマスソングをかけたら、テンションがあがってベッドの上で跳ねたりした(いい歳して!)。彼も踊ってておもしろすぎた。マライアはもちろん、ワムとかwinter songとか山下達郎とか稲垣潤一とか!テンションあがらないほうがおかしい。鏡がたくさんある部屋だったので、写真もとりまくった。飲んだり食べたり寝たり起きたりして、夜を過ごした。12時チェックアウトだったのだけど、ほんとうにぎりぎりまで部屋にいた。
そのあと一緒に昼ごはんを食べて、コーヒーを飲みに行って、別れた。20時間くらい一緒にいれてしあわせすぎた。