もう七月。
六月。市川実日子ちゃんが三十になり、麻生久美子ちゃんも三十になり、わたしも三十になった。10代に何度も、20代に何度か、30になる前に死にたい等と思っていたのに、三十になるのはあの頃思っていたよりも、ずっと呆気なかった。もっと恐ろしいものでショックを受けると思っていたのに。誕生日も過ぎたことだし、なにか買おうと思った。ネックレスと眼鏡と一眼レフが候補だったのだけど、結局眼鏡にした。ミクリの眼鏡。レンズを入れたら10万超えてびっくりした。大切に使おうと思う。
六月は、何度か彼とメールをした。映画の話。彼の部活の話。他愛もない話。何往復もメールしたり、ふつうに柔らかに話ができたことにびっくりしたけれど、もともと、わたしたちはこうだったよなと思い出した。歯車が少しずれてしまっただけのような気がした。一度ずれてしまった歯車はもう戻せないのかもしれないけれど、小さなずれは大きなずれの予兆なのかもしれないけれど。でも、やっぱり小さなずれでしかないように思う。根本的なことは変わっていない。そう感じた。