それは、妄想ではなく、現実だった。
ふたりで飲んでいたという話を聞いたときは、足元の床がぐにゃりと歪んだと感じてしまうくらい絶望的な気持ちになった。どんな言い訳を聞いたところで、彼の言葉をますます信じることができなくなりそうだと思って、ほんとうに吐き出しそうな気持ちだった。それから2時間くらい、少しずつ本音で話をして、確信をついて、わたしのことをどれくら好きでいてくれてるのかを確かめ(面倒臭い女!)、蝋燭のBARでカクテルを飲んだりしたら、少し落ち着いた。その後、彼の家に寄ったら帰りたくなくなり、「帰りたくないんですけど。」と言ったら「ずっといたらいい。」と言われて抱きしめられたりしたので、そのまま朝までいてしまった。小さなベッドで寄り添いながら寝た。彼は必要以上に身体に触れてきたけれど、ずっとかわし続けた。ほんとうに好きだから、安易にセックス等したくないと思った。こんなふうに疑心暗鬼の塊のままでのセックスも嫌だった。
たくさんキスをして何度も「好き」と言い合った。ふたりでいるときはちゃんと愛を感じることができるのに、どうして彼のことを信じることができないんだろう。離れている時間は、付き合っていることさえも自信がなくなるときがある。気持ちはいつも不安定。